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『手放したくは無かった。
でも、美咲が笑っていられるなら、それでいい。
きっと隼人の方が美咲にはいいんだろうと思った。
俺みたいに不純な動機で近付いた奴よりも。』
首を横に振る。
そんな事無いよ。
私には悠輔が必要なんだから。
そう伝わるように。
そんな私の手を引き、胸に納める。
『だから一番酷いやり方で美咲を遠ざけた。
適当な女に声を掛けて、家に連れ帰って、美咲の前で抱き締めた。
美咲が俺のことを気にしなくていいように。』
その人は私が帰った後に家から追い出したと言った。
私の為だったの?
なのに、私は・・・。
目の前に封筒が差し出される。
これ。
『昨日、見つけた。』
悠輔の手の中にあるのは私が書いた手紙だった。
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