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『中、読んだ。すげー、後悔した。
美咲の気持ち、何にも気付いてやれなかった。
なにやってんだろって。』
耳元に唇が近付く。
『ごめんな。』
悠輔の胸の中で首を振る。
『私こそ・・・ごめんなさい。何も知らなくて・・・。』
優しく頭を撫でられながら、宥められる。
『美咲は悪くない。気にすんな。』
涙でぐちゃぐちゃな顔を上げて悠輔を見上げる。
『私、悠輔の事・・・。』
言い掛けたところで、人差し指を私の口に当てて遮った。
『それは俺から言わせて。』
頷いて、視線を合わす。
『美咲、お前が好きだ。もう一度、俺と一緒にいてくれないか?』
大粒の涙が頬を伝う。
『私も・・悠輔・・が・・好き。』
優しく笑うとキツく抱き締められる。
『もう・・離さないでね?』
『離せって言われても離してやれないから。』
クシャっと笑う悠輔が愛おしい。
夢みたい。
そのまま悠輔の腕の中で涙が枯れるのを待った。
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