序章

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誰かは言った。 ~人という生物が存在するかぎり争いとは絶えないものだ~ その世界はまさに文字通り混沌であるかのような世界であった。 多種多様な種族が存在し、かつては平和で栄えたこの世界も、今では誰しもが戦争とはなんたるかを知っている悲惨なものになった。 世界はいま2つに分かれていた。 力で統べるジェネスと 義で統べるリウス この2つの勢力は長きに渡り争い続けてきた。 理由など今では誰も知らないほど長い長い間争い続いている。 2つの勢力の力は拮抗して、進展がないがどちらも打開策があるわけでもなく、長い間にらみ合いが続いた。 しかし、この硬直状態をジェネスが破った。 その打開策は人間の遺伝子を組み換え、色々な種族と掛け合わせ最強の人間を造ると言うものだった。 その造り出された人間を人々は『神人(しんじん)』と呼んだ。 リウスがジェネスが創ったものを黙って見ているわけもなく、ザックもまた、『神人』の開発に成功した。 そして、この『神人』の出現によりさらに戦争は泥沼化していった。 圧倒的な力を誇った『神人』。1人で千人を相手にするほどの力がある。 まさに人間兵器だ。 しかし、『神人』には1つだけ難点があった。 それは、こ の世界では貴重な『力石(りょくせき)』を1週間に一度体内に取り込まなければいけないと言うことだ。 当然、それからは両勢力による『力石』の争奪戦が繰り広げられた。 『神人』さへ居れば勝てる。 この確信がまた『力石』の争奪戦を拡大させていった。 しかしこの世界の『力石』が早々と尽きてしまったのは言うまでもないことだ。 そこで考え出されたのが、他の世界からとってくると言うものだった。 この世界には古くから伝説として、こことは別つのまったく違った世界があると言われていた。 また、世界の間を自由に行き来できる人物がいたとも語られていた。 この伝説を希望の光として無謀な研究が始まった。 最初は誰もが不可能だと思っていた… しかし、本当に世界を越えることができる装置ができた。 しかし、それは普通の人では身体が耐えられず他の世界に着いた時には見るも無残な肉片になってしまう。 世界を越えることができるのは『時人(ときと)』と呼ばれる生まれ持って才能がある者ではないとダメなのだ。
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