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「ここで会ったが百年目! あんたのその首、討ち取ってくれる!」
「ソラ…、まるでセリフが悪役ですよ。」
あたしたちは、とうとう魔王と呼ばれる男がいる城に辿り着いた。目の前にいるのは、あたしたちが探していた男、魔王。
その面を拝んでやろうと思ったが、生憎魔王はあたしたちに背を向けているので顔が見えない。
ただ、何でだろう。とても懐かしい気がするんだ。
「妾の同族を弄んでくれた礼、今こそ貴様にくれてやる。」
ふと、一つの影があたしたちの前に立ちはだかった。
長らく一緒に旅をして来たシロガネだ。
シロガネは、自らの腕を龍の様に変形させ、鋭く尖った爪を魔王に向けた。
しかし、魔王はぴくりとも動かず、ただ、沈黙を決め込んでいるだけだった。
何かがおかしい。あたしは本能的にそう思った。
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