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「…年頃の女子にデリケートなこと不用意に突っ込むからよ」
涙目で咳き込む三浦君に恨みを込めて文句を垂れる。
「本当にすみません。
僕、そうと知らなかったんで、
その…」
ようやく咳が収まった三浦君が、
周囲を気にしつつ小声で頭を下げた。
「ね、それ…噂になってるの?」
振られた今になって、
それだけは耐えられない。
少しためらってから、三浦君が申し訳なさそうに口を開いた。
「あの…噂になってる訳じゃないんです。ある人から一年前に聞いただけなんで」
一年前。
崎田さんからプロポーズされた頃だ。
あの時さっさと話を進めていれば…なんて、今となっては虚しいだけ。
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