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「先輩、どうしたんですか?」
会議が終わると、
三浦君が心配そうに駆け寄って来た。
「ごめんなさい…ほんとに」
「いや、僕は何にも。
でも、先輩らしくないですね」
途中からあの彼の方向には
一切顔を向けなかったから、
不自然にぎこちなかったはず。
「情けない…ごめん、ほんと」
「それより先輩、
今晩飲みに行きますよね?
胃が痛いからやっぱり無しとか嫌ですよ!」
「…そっちの心配?」
「成瀬さん」
不意に、
三浦君のでない声が背後から響いた。
聞き覚えのある低い声に
嫌な予感を覚えつつ、
恐る恐る振り向いた。
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