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彼が崎田さんの同僚だからって、
別に私には関係ないこと。
仕事でもプライベートでも
彼と関わる予定なんかない。
でも、なぜ裏切られたように、
こんなにショックなんだろう?
なぜ、何かを失ったみたいに、
胸が痛いんだろう?
胸のモヤモヤを吹き飛ばすように、ドサッと音を立てて資料を机に置いた。
「さ、片付けよっか。
次、打ち合せだから早く戻らないとね」
表情が強ばる私に三浦君は何か言いたげだったけれど、強引に会話を切り上げた。
三浦君の手に、
彼の名刺を残したままで。
(第二話へ)
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