5人が本棚に入れています
本棚に追加
/43ページ
麗らかな春の日、私(わたくし)はこの書をしたためております。
探さないでください、と。
「さて、家出準備もバッチリですし。さぁ、新しい日常にレッツらゴーですわ❗」
「ゴーじゃねぇよバカ野郎」
スッパーンっ‼
小気味良い音が私の部屋に響き渡ります。
「痛ーっ⁉」
「そりゃ痛ぇだろうさ。何せ、俺が履いてたスリッパの音だからな。いやぁしかし、いい音出たなぁ」
後ろを振り返ると、執事の響音弥がおりました。
音弥は自ら履いていた茶色のスリッパを、しげしげと眺めております。
「しゅ、主人に向かって無礼じゃありませんこと⁉」
最初のコメントを投稿しよう!