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クソジジイが遺産にと僕に寄越したのは、幽霊でも出そうな屋敷だった。
「あんのジジイ…」
数ヵ月前に亡くなったジジイを思い浮かべて、僕は拳を握る。
莫大な遺産のお陰か、僕のひ孫の代まで遊んで暮らせる程の金を残してくれたのは、感謝しているが…。
「この屋敷は、正直要らねー…」
遺言書に、屋敷を譲るって書いてあったから来たが。
どう見ても長年放置してました、って感が否めない。
「…ま、いっか。会社は親父から弟に継がせるって言ってたし。僕は晴れてニート生活、ってね」
期待に応えようと、頑張っていたんだけどな…。
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