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ご飯を食べている最中、耳鳴りがしだした。
(…うわ、片方聞こえねぇ…しかもなんか気配するし)
相模原杏子。
花の26歳。
霊感はあるっちゃあるが、見えたことはない。
(見えないけど怖いなぁ…)
東京で独り暮らしして早五年。
この暮らしにも慣れてきた。
でも、この気配には慣れない。
(早くどっか行けよ…)
いけないとわかりつつ、そっちの方をちらりと見る。
見えはしないから向こうの景色だけが見えるのだけれど…。
「え…」
私は、持っていた箸を落とした。
うっすらとだが、人がそこに立っていたからだ。
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