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「お風呂、空きましたけど...」
お風呂から出て、そのまま部屋へ行くのはなんだか嫌だったのでリビングへ来てみれば、ソファに座ってパソコンとにらめっこしている柳葉恭がいた。
部屋へ行こう。
それでも、無言で立ち去るのは気が引けたので一言声を掛けてみれば、パソコンから視線を外し、私を見て、直ぐにまたパソコンと向き直った。
「あぁ...」
冷たい人ね。
少しくらい笑いかけたっていいじゃない。
私はそのまま彼に背を向けてリビングのドアを閉めた。
これから先が思いやられるわ...。
目を閉じ静かにため息をつくと、寝室のある二階へ続く階段を上がった。
「さて、私はソファで寝ましょうか...」
部屋の中を探り回して、ようやく見つけた掛け布団。
私が掛け布団なしでは眠れない理由...
今が丁度2月の半ばで、布団なしでは寒くて眠れないから。
だけじゃない。
昔から...何かに包まれてなければ眠れない私は、未だに子供なのだろうか。
部屋の中を照らす照明を落とすべく、リモコンを手に取る。
カチッと爽快な音がなると同時に、部屋の中は真っ暗になった。
体を包んでいる安堵感と、感じる温もり。
私を眠りに誘うには充分の要素だ。
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