犬猿の仲

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犬猿の仲

「How match?」 見るからにヤバそうな黒人がニヤニヤして話し掛けてきた。 俺はハマチじゃねぇ。そんなジョークも通じねぇ、ここはニューヨークのダウンタウン。 歩き疲れた俺は…正式には俺達は暗い路地に座り込んでいた。 ゲイにはカッコウの餌食だろう。 「ノーサンキュー!」 片言の英語とは言えないような英語とゼスチャーでなんとかのりきるもこの後どうしたらいいか途方にくれる… 「わああ!凄いオーディションがあるなあ!受けて帰ろうかな!あ、日本語で歌っていいのかな…うーん…」 街頭ポスターを食い入るように見つめて元凶が楽しげにはしゃぎやがる。 コイツさえいなかったら俺は今頃ホテルで美味しいディナーとフカフカのベッドで寝れたのに… リョウタは大きくため息をつき肩を落とす。 そう、一週間前なあの辞令から悪夢ははじまったのだ…
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