危機一髪

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とにかくホテルに戻ろう。 警察に言って被害届をださねば… みんな心配してるだろうし…ああ、里奈、メールまってるだろな… かのんを連れホテルを探してとにかく歩いた。 だけど土地勘もなく英語も読めない。 ドンドン負のスパイラルに巻き込まれてゆく。 携帯があったら、ナビがあったら… 普段俺が客に勧めて売っている製品たちがないと、人間はなんと無力なのだろう。 人間が作ったものは人間が完全に使いこなしているつもりでいた。 皮肉にもそれらは俺を助けてはくれないのだ。 「店長…お腹空いて疲れて…もう歩けない」
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