セッション

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ジェームズが木の台をどこからともなく持ってきて簡単なステージを作った。 「マイクもないのに声、でるかな…」 俺が呟くと、 「大丈夫!店長は常日頃からボイトレしてるじゃない! 【いらっしゃっいませ!】ってね!」 まあそのかけ声には自信があるが 「何歌う?私だいたいの歌謡曲はインプットされてるの。店長の好きな歌でいいよ。」 「…向いて歩こう。」 「はっ?」 「上を向いて歩こうがいい。昔親父とよく歌った。」 「ふるっ!ま、いいか、外国で人気だし」 この歌は…あまり記憶のない親父とのゆういつの思い出だった。 夕焼けに染まる空に手を繋いで歌いながら散歩したっけ… しかし、俺と母さんを置いてでていってしまった…親父。
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