嫉妬

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机の上のノートも カーテンも テレビの横の人形も 何も変わった様子は、ない。 細く息を吐き、あたしは携帯を持ち自室を出て一階へと向かった。 階段には昨晩とは違い、柔らかな朝の光が差し込んでいた。 目を細め少し光を見てあたしは足を進めた。 トン トン トン ゆっくり、ゆっくりと階段を下りる。 純はもうこの家から出て行ったのか…? それとも…。 指輪を外した右手の薬指に視線を移し、握る手に力を入れる。 ガチャ 洗面所へと着き、純がいない事を確認し中へと入る。
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