第1章

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ハジマリ 1-31 ミッソーは単身でミサの救出に向かった。 アルカイダはアジトを次々と変えるはずである。 ミサが新しいアジトへ移される時がチャンスだ。 その時を狙ってミサを救出しなければならない。 数々の救出作戦に参加したミッソーだが、ミサの救出は慎重にならざるを得ない。 ミッソーは車を倉庫の手前で停車させると闇の中を走った。 倉庫の前に物見の塔があった。 ミッソーは素早く塔へ駆け上がると赤外線スコープを睨んだ。 ◆ミッソー ハジマリ 1-32 どこに連れて行く気だろう…。 ミサは男に背中を押されながらも、注意深く様子を伺った。 熱く湿った風に乗り、潮の香りがする。 同じ造りの建物が規則正しく立ち並ぶ。 どこかの倉庫であることは間違いない。 なんの為に連れてこられたのか? もしその気があれば、とっくに殺され今頃はあの男のように海にでも沈められているだろう。 ミサとこのテロリストたちを繋ぐものはミッソーしかいない。 『ミッソーが危ない!』 動揺するミサの目に、先程死体を運んでいた男たちと観音開きのトラックが見えた。 ◇ミサ
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