青空の下で

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目の前を冷んやりとした風が優しく肌を撫でるかのように吹き抜けていく。 3ヶ月前の俺なら、この風を感じながら、死ぬ思いで勉強して受かった国立大での生活を考えることが出来ただろう。 考え、想像し、怠惰な感情を抱きながらも前向きな気分でこの道を歩いていくことが出来ただろう。 しかし今は大学のことなんて想像できない。前向きな気分でこの大学前の公道を歩くことなんて出来やしない。 憂鬱な気分のまま校門を目指す。 大学の敷地内に入ったらもう後戻りは出来ない。 近づくほど大きく見えてくる校門に俺は何故か恐怖を覚えた。 その堂々とした構えに、お前の魂胆はわかっているぞ、と見透かされたかのように感じたからかもしれない。 少し迷ったが校門をくぐる。 校門の目の前で不自然に立ち止まった俺を、何人かの学生が不審げに見てきたが そんなことを気にする余裕などなかった。 俺は1人で、出発点であり終着点でもある第三講義棟を目指して歩いていった。
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