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初めこそ俺は否定していた。
しかし誰も信じてはくれなかった。
甘かった。
しっかり説明すれば信じてくれると思っていた。
友人たちも俺を避けるようになり、俺は大学で孤立した。
さらにはノートが切り刻まれてトイレで見つかったり、講義中に濡れ雑巾を投げつけられたり、といった陰湿なイジメも受けた。
今までイジメを受けたことがない俺にとっては、この環境はとても耐え難いものだった。
唯一信じてくれたのは、琴音だった。
それだけが俺には救いだった。
「どうするの?」
と琴音が再び聞いてくる。
その問いに俺は答えられなかった。
答えられなかった俺を見て、琴音はこう言った。
「大丈夫!私が何とかする。なんとかなるって!」
彼女がそう言うと、本当になんとかなるような気がしてくるのが、不思議だ。
それでこの嫌な話題は終わり、それからは琴音と楽しい時間を過ごした。
無限に広がる透き通った青空が、俺を、俺たちを、励ましてくれているような気がした。
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