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「天道先生、どういう事です？」
「え～何がだい？」
「僕に1＋1＝田んぼの田だと
嘘を教えたでしょう！」
「うーん。言ったね。ははっ。」
「笑いごとではないです。
僕はあなたのせいで恥をかいたんですよ。」
「その歳で嘘って分からないのが
もう既に恥だよね。」
「くっ…！」
この人のよさそうな顔をしながら
笑顔で毒を吐く男は
この高校の保険医 天道 吉隆先生だ。
栗色の少し長い髪を後ろで結び、
白衣を着てピコピコと音がなるひよこの絵が描いたスリッパを穿いている。
子供らしい一面もかいまみられるが
昔、校長のカツラをそことなくいじり、
泣かせたそうだ。
だが、悪気はないらしい。（天然毒舌だからたちがわるいと担任が言っていた）
「泣きそうな顔しないでよ。
僕が悪い人みたいになっちゃう。」
いい人は嘘をつかないと思うが。
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