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真地が帰った後の部屋は奇妙なくらいに 静まりかえっていた。
『謙斗』
静まりかえった部屋に藍沙の声が響く。 『どうした?』
『謙斗、私ずっとね会いたかった』
後ろに抱き着く藍沙は見えても感覚はない。
『私、本当に死んじゃったんだね。だって謙斗に触れられないんだもん。』
藍沙の目には涙が浮かんでいた。
『大丈夫。たとえ幽霊でも、触れられなくても藍沙は藍沙だから。俺の大切な人が側にいてくれるだけで俺はいいと思ってる。』
『謙斗…ありがとう。愛してる。』
『そういうのは男に言わせろよな。俺も藍沙のこと愛してる。』
『ごめんね、つい言いたくなってさ。』
やっぱ俺らバカップルだわ。
出来るなら藍沙に触れたい、藍沙を抱きしめてあげたい。でも死んだ彼女に再会できたこと自体奇跡なのだからもうこれ以上は望まないことにする。
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