砂漠

4/5
前へ
/11ページ
次へ
音からして交戦している場所はかなり近いだろう。 生存するにはその方向には近づいてはならないだろう。 しかし清水は何が狂ったのかその方向に歩き出した。 そっち行くと死にますよ!? 俺は引き留めようとしたが清水の口からは信じられない言葉が出た。 銃が撃てて戦争できるなんて最高じゃないか、俺は行くぞ。 コイツまで狂っている。 行きたくない、行きたくない。  でもついていかないと一人ではもっと死ぬ可能性が高くなる。 ついて行くしかないのだ。 何の会話もないまま300Mほど歩くと 先ほどまでは見えなかった町のようなものが見えてきた。 銃声はさっき聞いた時から聞いていないが・・・ 敵か味方 どちらかはいるのだろう。 町は石を積んで家が作られていた。 まるで遺跡のような雰囲気。本当にここはどこなのだろうか? 町の中心に来た時 予想はしていたが信じられないものが目に入った。 俺たちと同じような服をした死体。手にはアサルトライフル。 夢ではない。 すぐそこで二人の人間が戦争で死んだのだ。 言葉が出なかった。 死んでる・・・な・・・ 清水も呆然と立ち尽くしていた。 戦争にやる気を出していても実際に目の当たりにするとここまで・・・ その時だった。 ダダダッ・・・ 右から銃声が聞こえた。 先ほどとは違う。 すぐ近く。 しかも俺たちを狙っていた。 戦う時が来た。 銃を取り出した。 作りは簡単だった。 銃を扱ったことがなくても簡単に撃てる。 敵の姿は見えていた。 俺と清水は敵に向けて銃を乱射した。 だが当たらない。 当然だった。 銃なんて扱ったことはない。 当たる方がおかしいのだ。 当たらない焦りでさらに手が震える。 頼む・・・当たってくれ!! マガジンの弾は残り少ない。 最後の3発ぐらいの時、 一人の腹に弾が命中した。
/11ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加