Alone

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物心ついた時から俺は既に一人だったような気がする 確かに 周りには家族と呼べるもの 友人と呼べるもの位はあった そしてそのどれもが俺を構い、何かしらの関係を持とうとしてくる 家と自身の繁栄にしか意味のない、なんとも浅はかな関係を 誰も、誰も俺の苦しみなんか知らないくせに 誰も救いの手を差しのべてなんかくれないのに それでも俺は自分の影を隠して、そいつらに光を与えなきゃいけないんだ なんて…なんて滑稽な行為 中学に入ってからは一年でテニス部の部長となった、新しいレギュラーメンバーとは確かに良い関係が持てたとは思う まあ…だからといって何かが変わった訳じゃない、何にも変わりはしない 相変わらず表に出れば出るほど孤立する毎日だ 日に日に自分が周りと断絶されていくのが手に取るように分かる 別に、誰かにいてほしかった訳じゃない…きっと 寂しいなんて、思ってない… そんな感情は当の昔に捨てた、今はただ…この暗い道を一人で歩いていくしかないんだ 暖かい世界なんてそんなものは在りはしない、そんなものは只のまやかし ありはしない…ありはしないんだ だからこそ、一人で生きていく術を見つけたんだから
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