序章

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「そう言えば、お母さんの三回忌から様子がおかしい気がするんだよね」 ちょうど一週間前に亡き母の三回忌があったばかりで、自分が思い当たるのはそれ位しかなかった。 うーんと考える仕草をする七海が 「そーいえば…スッゴくカッコイイ男の人が来てたのは覚えてるんだけどなー」 「え?そんな人いた?」 「うん、モデルか芸能人かって位スラッとしてカッコ良くってさぁ」 「ふーん」 「そんでその男の人がお父さんに話しかけたの…何を話してるかは聞こえ無かったんだけどね、お父さん急に怖い顔になって…」 ぽつりぽつりと思い出しながらのせいか七海の声が小さくなる。 「でもその男の人もすぐに帰ったみたいでね、お父さんもその後は普通にしてたから気にしなかったんだけど…」 七海もこれ以上はわからないとお手上げのポーズを取り 「まっ放っておけばそのうち元に戻るって」 「…そうだと言いけど」 理由はわからないけど何かがスッキリしない…そんな気がした。
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