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がたんごとんと規則的に走る電車。
外には変わらない町並みと風景。
毎日毎日、ぼんやりとしか眺めていなかったその風景。
正直、電車で通うことが楽しい訳じゃあなかった。
都会のように数分で何本もくる訳じゃない田舎の電車。
乗り遅れたら暫く待たなきゃいけなかったり。
朝なんか寝坊すれば遅刻になるから気は抜けないし。
でもそれが変わったんだ。
ガタンとやや強い揺れで電車が止まる。
2つめの駅。
「うわ、また満員かよ」
ドアがあいた瞬間そんな声が聞こえて、ブレザー姿の学生が飛び込んでくる。
その声に、私の心臓がはねあがるように音を立てた。
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