恋愛逃避行

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初めまして。 私、柚原美由紀(ユズハラミユキ)です。 高校生になって、早二ヶ月。 ――私には、悩みがあります。 「柚原ー、おっはよー」 「おはよう、ございます……」 その原因が、今目の前にいるこのお方。 ……五木和哉(イツキカズヤ)先輩、です。 「あの、先輩……」 「ん?何?」 「……と、通れないんですけど」 真っ赤になって言う私に反し、先輩はニコッと笑った。 「知ってる」 教室に行く途中廊下で偶然会い、挨拶だけですれ違おうとした私を……先輩は、両手を壁について中に私を閉じ込めた。 いわゆる、……壁ドン?というやつ、なのでしょうか? 「せ、先輩?知ってるって、そうじゃなくて……」 あわあわする私を見て、先輩は吹き出して笑った。 ようやく壁から手を離し、肩を震わせている。
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