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「連れてこられたのはいいけど…」
どこへ向かって、何をすればいいのかわからない。
「まさかこのまま粉になってビンに詰められたら…あぁいけない」
またいつものネガティブシンキング…。
ふと上を見上げたら、一筋の光が流れ込んだ。
紫苑が見えたような気がして、手を伸ばした。
「あと…ちょっと…。」
届きそうなのに、届かない。
届きそうだったけど、波に浚われて見失ってしまった。
「あ…」
一抹の寂しさが体内を駆け巡った。
あれは…何だったのかな。
暖かくて、眩しかった。
お母さんの笑顔みたい。
知りたいけど…掟を破る事になる。
もっと深くまで沈んだ。
暗闇の彼方へ閉じこもる為に。
でも…あの光の事を知りたい。
一瞬だけど、本当に紫苑が見えたから。
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