第一章

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私は、人間の中に紛れている人魚だ。 足が悪い少女、として。 勿論、私は人魚だから泳ぎは上手い。 自分で言うのも難だけど。 「…マリー、ねえマリーってば」 「うわぁっ!!もー、紫苑…」 「さっきから呼んでたんだけど。どうしたんですか?マリー・キャローセルさん」 紫苑は私の親友だ。 しかも、 「まーた自分の生い立ち考えてたの?」 心が読める。 「そうだけど…」 「大丈夫!!マリーが人魚だからって見捨てないって!!ね」 「…ん」 と言っても、私はお父さんに見捨てられた。 だから… 「信用しろ!!」 「…はい」 紫苑には敵わない。 今のところ、この秘密を知っているのは紫苑だけだ。
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