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深海は、別名『悲しみの海』。
暗くて怖くて、目を開けるのも億劫だ。
私はネガティブシンキングだから、こんな事も考えてしまう。
このまま何処までも堕ちていって、誰にも見つけられないのかな…って。
流石『悲しみの海』の異名を取るだけあって、ここに居るだけで悲しい。
でも涙が出ない。
不思議…。
落ち着く…。
…紫苑は今どうしてるかな。
―その頃、紫苑は―
「…届くかな」
メッセージボトルを海に流していた。
中に2kgのおもりを入れて。
どこら辺にマリーが住んでいるか知っていたので、船に乗ってそこへ行った。
自家用の船、である。
マリーには内緒だが、紫苑の家は大金持ちである。
「きっと届く、よね、ヴィンティーネ」
「そうですね、お嬢」
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