虚空の向こう側

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みんな黙っている。 現実味を帯びた死への恐怖が彼らを冷たく抱きしめている。 私には彼らの抱えている恐怖がわからない。 まるで理解できない。 私はどこまでも高く飛べるのなら散花に乗りたい。 兄と同じ目線でものを見たい。 寸胴な形をした変わり者の散花に、私は想いを馳せた。
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