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1時間かけて僕たちは広場に到着した。
この広場では週に1度市場が開かれる。
駐車場にキューベルワーゲンを停めて市場に足を運んだ。
日用品や生鮮食品を買ってレストランで食事をとることにした。
僕たちはカルボナーラを注文した。
何分か待つと、それはテーブルに置かれた。
クリーム色のソースが絡められたパスタ。
僕はそれをフォークに巻きつけて口に入れた。
しかし不思議なことに味がしない。
もう一口食べた。
それでも結果は変わらない。
突然視界がぐらりと揺れた。
皿が、テーブルが、目の前にいる少女が形を失って何とも形容し難い存在へと変容していく。
混沌とした視界から徐々に闇が広がっていく。
闇が全てを覆い、僕は現実との接点を失った。
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