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目が覚めた。
完全に意識が覚醒した。
視線の先には、大きな黒いしみのある天井。
首を左に傾けると、開いた窓。
窓から見えるのは、どこまでも広がる青い空。
そして青の世界を飛翔する漆黒の航空機。
もうあの世界に戻れない。
妄想はどこまでも妄想であって、現実にとって代わることはできない。
妄想に逃げ込んだところで、何か変革が起きるわけではないのだ。
あの飛行機のように、回りから浮いてしまって、孤独の道を歩んでいるとしても、ここで生きていかなければならない。
昼夜の逆転した夜鷹が空を舞っている。
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