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手に拳銃を持ったまま眠る様は眠り姫のようだった。
無防備な寝顔から張り巡らされている警戒心。
張り詰めた静寂が一つの銃弾となり踏み入れた者に深く穴を穿つ。
損傷部分から侵食する冷気が相手の行動の自由を奪い、神経を麻痺させる。
それほどの威圧感を放っていたそうだ。
彼女はその場にいなかった上、仲間が彼を連れ帰ってきたときは小さな寝息をたてる小柄な少年に特別強い恐怖を覚えなかった。
むしろ抱いた印象はその逆で抜けるように白い肌と幼さが残る顔。
少女と見紛うその容貌は恐怖より儚さが勝った。
夢幻なのではないか、と彼女は目を何度もこすったほどだ。
少年の銃は仲間が保管しているが、その人の話によるとあの銃は大層貴重なものらしい。
これが初見だと仲間はやや興奮気味に語った。
銃の希少価値から始まりこの銃の誕生秘話まで話が進んだ時には彼女はドアではなく──銃にやたらと詳しい仲間を挟んでドアがあるため──窓から飛び出した。
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