無知な少年

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抜けるように白い肌、幼さが残る顔。 彼女はどこかで少年を人形だと思っていたのだろう。 少年が動くたび不思議さが込み上げてくる。 長いまつげに縁取られた瞳が瞬きをする動作も不可解でどうしようもなかった。 前から謎が多いヤツだな、とは思っていたが少年が目覚めてさらに謎が深まった。 そんな彼女を少年は注視し続けていた。 透き通った海色の瞳は少女を映す。 海に輝きはなく、一筋の光さえ届いていないことがはっきりとわかった。 透明感があるがゆえ瞳が暗い水で満たされていることが容易に見て取れる。 少年の薄い唇が微細に動いた。 「だ……れ…………?」 少年の眼を吸い込まれように見ていた彼女の耳にその言葉が送られてきたのは数瞬後だった。
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