無知な少年

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少女はたっぷり呆けてからハッと我に返った。 眉をひそめ、はにかんだ笑顔をにじませた彼女は極力優しく囁いた。 「私はリミアです。よかった、意識が戻って」 少年はリミアの自己紹介など聞いていないのか一点のみをずっと見つめている。 リミアは先程の笑顔に苦味を加えた表情を浮かべる。 少年の瞳はリミアの眼を捉えて離さない。 「あの……」 ついに耐え切れなくなって一歩後ずさる。 少年はにじり寄るなどの行動はしてこなかったが、目線は相変わらずピンポイントだった。 張り詰めた沈黙が流れる。 この時、リミアがとれる行動は数多あるはずだった。 何故その行動に走ったのか自分でもよくわからない。
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