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大腿部にホルスターごと備えつけられた銃がぎらつく。
リミアは少年から目線を外さず漆黒に包まれた銃に手を伸ばす。
何故だろう。
何故自分はこの少年を撃とうとしている?
少年はただ見ているだけで何もしていない。
害など加えられてないじゃないか。
手を降ろせ。
落ち着け。冷静になれ。
自分にそう語りかけ、腕から力を抜こうとする。
だが銃は依然少年を照準していた。
──なんで?
頭にぽつりと響いた。
自分で自分をコントロール出来ないとはどうしたのだ。
いつもは冷たいグリップも今日は妙に熱っぽい。
ヒートアップした頭を冷ましてくれるいつもの愛銃はどこに行った。
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