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リミアは銃のハンマーを上げ、トリガーに手をかける。
あとは軽い引き金さえひいてしまえば的を貫通し粉砕させるだろう。
銃のグリップと同じく熱っぽくなった脳裏に事後の光景が浮かぶ。
リミアの銃口から弾丸が発射される。
弾道は予想通り相手の急所を目指し直線を描く。
弾頭が標的の服に潜り込んだ刹那、弾は背後の壁にのめり込み、視界は赤みを増す。
以上のことを想像しリミアの心は氷と化した。
こうすれば心が痛まないことをリミアは熟知している。
自分を責め立てず、罪悪感を抱くこともない。
殺害した人物が夢にでてくることすらない。
怯えて暮らさなくていい。
この行為は今に始まったことではない。
思えば、自分はこのために誕生したのだ。
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