無知な少年

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トリガーに徐々に力を込めていく。 銃もリミアと同じく呼吸しているように感じた。 息を吸い、弾とともに空気を放出する。 その時だ。 今まさに処刑室となりつつ部屋にバタンと音が鳴った。 少年が倒れる音ではない。 リミアは銃撃の寸前で音に気づき、指の力を緩めていた。 部屋のドアに振り向く。 「おい、何してんだよ」 ドアから入ってきた闖入者はリミアと少年の間に入りこみ、リミアを見据えた。 黒髪の青年にリミアは静かな声で言った。 「そこをどいてください。……コルヤ君も撃つことになります」 コルヤと呼ばれた青年は目に強い光を湛え、問う。 「何故殺そうとしている?」 リミアは表情を変えず坦々と答えた。 「この子が私達のターゲットだからです」 氷が言葉に化けたのかと思うほどリミアの声は冷え切っていた。
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