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リミアはコルヤに詰め寄り銃口を頭に当てる。
コルヤの方が背が高いので下から突き付ける形となってしまうが、充分に致命傷を与えられるだろう。
「もう一度言います。そこを、どいてください」
このとき、リミアは熱くなりすぎていたのかもしれない。
仲間に銃口を押し当てるなど普段の彼女なら絶対にやらない。
だが、この時ばかりは目先の光に目が眩んでいた。
遠い光ばかりを眺めていた彼女にその光は強烈すぎた。
暗闇に慣れた目の瞳孔は急激に縮小し、少女の理性を奪った。
選択肢を間違えたことにリミアは気がつかない。
いや、気づけない。
何故なら複数ある選択肢が見えないのだから。
一択だと思い込んでいる。
少年の海より薄い空の瞳を持つ青年は一瞬悲しそうに顔を歪ませた。
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