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眉を潜め、強い意志を感じさせる瞳に一層強い光が灯る。
額に当たる冷たい銃口を手で払い、身体の底から響くような声で放った。
「お前は、何の確証もないのに人を殺すのか?」
リミアの眉がピクリと動いた。
確証がない訳じゃない。
感じる。
長年の勘と自分の精神状態、愛銃の些細な気配から分かる。
──貴方には分からないの?
その子が放っている殺気と危うさに。
言葉じゃ説明できない違和感。
なら、行動で示すのみ。
リミアは青年から視線を外すと横をすり抜け、少年の前に立つ。
銃を握る右腕はだらんとしていて力を抜いていた。
少年はじっと見上げる。
またこれだ。
この前もこんな目で見られた。
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