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「さて、そろそろ時間だ。カシウス・ブライトの作戦まで後十日だ。
D∴G教団の奴らも知らん抜け道を作っておいたから作戦当日になったらそこを通って脱出するといいだろう」
(何から何までありがとうございます)
「気にするな。本当ならばお前は、元の世界で楽しく暮らしていたのだからな」
(こっちの世界でも楽しく暮らしてみせますよ)
「そうか。……もう時間だ。最後に何か言うことはあるか?」
(そうですね……僕の名前を決めてくれませんか?)
「ここにきて名前か。つくづく変わった奴だ。だが、こんな奴だからこそ運命を変えることが出来るのかもな」
(こんな奴は余計ですよ)
「……ライだ。
ライ・フローバニシュ。
命を大切にするという意味だ」
(ライ……いい名前ですね)
「気に入ってもらえて何よりだ。
では、さらばだ。どうか良き人生が送れるようにな。
あっ、私が去った後は加護が消えて実験の激痛が来るから!」
(それを先に言え~!)
そうして神の声は聞こえなくなり、僕の身体には激痛が走ってしばらく喋ることができなかった。
(最後まで酷い神様だったな)
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