第一章 -カシウスを追って-

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「分かったヨ!それで娘さんの名前ハ?」 知っているがとりあえず聞いておかないと、怪しまれる。 「エステルだよ。ライ君」 「エステルさんですネ。見かけたら言っておきますネ」 「ああ、頼んだよ。 おっと、船長に渡すものがあったんだった。それではまたな、ライ君」 カシウスが離れた後、ふうっとため息を洩らした。 「びっくりしたヨ。まさか、向こうから話しかけて来るとハ」 変に緊張したせいか、急に睡魔が襲ってきた。 ライは睡魔にあらがうことをせずにそのまま目を閉じた。 この後、まさかあんな事態になるとは知らずに。
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