173人が本棚に入れています
本棚に追加
ライは後悔した。何にかというと、クローネ峠を通ったことにだ。
「しまっタ。ここ関所があるの忘れてタ」
クローネ峠には関所があり、手続きをしないと通れないのだ。
魔獣がいるこの峠は、遊撃士や軍なら簡単に通れるが、見た目8~9歳ぐらいの子どもが1人で来るにはあまりに危険な所だ。
流石に関所にいる人達は、こんなところにいるのを見たら心配して、親を探したりとかするだろう。それは困る。動きを制限されたりするのは、勘弁してほしいのだ。
(う~ン。どうしよウ?)
そうこう考えているうちに、魔獣が近づいていた。
「グルルルッ」
その時、関所にいた軍人が
「危ない!!」
魔獣に気付き、銃を撃って魔獣を仕留めた。
「君!大丈夫かい!?」
(見つかっタ!最悪だヨ)
「お父さんは!?お母さんは!?」
やっぱり心配して色々聞いてくる。それはそうだ。
こんな子どもが襲って来た魔獣を無傷で全部倒しているなんて、誰も思わないだろう。
最初のコメントを投稿しよう!