プロローグ

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「しまった!!」 見つけた時には、男は既に子供を人質にとっていた。 「動くな!!どいつもこいつも人を馬鹿にしやがって」 「早まっちゃ駄目です。人には必ず生きている理由があるんです。貴方もそうでしょう?」 ゲームをしている内に自然と自分の名言にしている言葉を言った。 これは、人には生きている理由が必ずあると自分も信じているからだ 「早くナイフを捨てて下さい。これ以上罪を犯して何の意味があるんですか!?」 しかし、我ながら恥ずかしい台詞をよく言えるなと思った。 だが男は徐々に移動していき、今は、道路上に立っている。 「なら、俺にどうしろと言うんだ!!俺は……」 そう言おうとした矢先、横から車がものすごいスピードで走って来ていた。 ひったくり犯も運転手も気づいていないみたいだった。 (危ない!!) そう思った時には、既に体は走っていた。 「間に合え!」 驚いて立ち尽くしていたひったくり犯を人質の子供ごと突き飛ばした。 だがその瞬間に体は宙に浮いた。 (あれ?僕、いつから空を眺めていたっけ?) その後、意識が遠ざかっていった。
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