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旅人は自分のカバンからひと切れの布を子犬の傷口に縛り付けた。
「ごめん・・・あと、これも」
さらに旅人は、貴重な食料であるパンを取り出し子犬に食べさせる。
「少ないかもしれないけどお詫びだ」
そして旅人はその場を後にした。
それを子犬は追いかけようとしたが、傷が痛みその場から動けない。
子犬は、旅人が去った後をずっと見つめていた。名残惜しそうに。
翌朝。子犬は、寝床を飛び出し街外れの森へ向かった。
大きな大木の前で地面を掘り始める。
すると、土に混じって太く白いものが出てきた。
大きな牙だ。
子犬はそれをくわえ走り出した。
向かった先は、小さな古民家。
レンガでできた煙突からは、怪しい色の煙が出ている。
子犬は、迷いなくその古民家へ入る。
入るとそこには、一人の女性が壺の形をした大きな鍋に
何やら怪しい粉を入れていた。
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