国を捨てた放浪者。

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 謎の人物は呆れたようにため息を吐くと、ウィンリスにも分かるよう説明をし始める。 「この国は一人の国王の手で支配されている。国王が命じれば何でもその通りに事が動く。 そうなると誰も逆らう者はいない。逆らえば、すぐさま殺されるからだ。 今現在、幻想動物、種族人種は国王の元に集められている。 ここまで話せば普通は予測はつくだろ? っま、お前の場合無理だから説明するが・・・ 俺はこの国を支配している国王の息子ってわけだ。」 「・・・?」 ウィンリスにはやはり分からない。 この国が一人の人間によって事が動くということ、幻想動物や種族人種達が国王の元に集められている。 子供である八歳の人間でも理解は難しい。  謎の人物は何も理解できないウィンリスにイラだち始めていた。 「こんなにも理解てきねぇ獣がいるとはな。魔女の力も衰えたもんだぜ。」 吐き捨てるように言うと突然、外から兵士達の声が聞こえてきたのだ。 「おい。この辺はまだ調べてないぞ!」 「だが住民がいるかもしれない。ここは訪ねよう」  謎の人物は焦り始める。 ウィンリスはドアを開けようとドアに手をかけようとした。 それを見て謎の人物は慌ててウィンリスの腕を引っ張り、抱きかかえてディスの寝ているベットへ身を潜める。  強くドアを叩く音が聞こえ、ディスが目を開ける。 「っ!?お、お前は!」 目を開けたディスは驚いた。 目の前に、酒場を荒らした謎の人物がいることに。 それに加えて、大人しく抱きかかえられているウィンリス。 ディスには何が起きているのか分からない。 今すぐにでもウィンリスを謎の人物から離したかったが、ドアの向こうから、ノックとともに兵士の声が聞こえてくる。 「誰かいるかー? いなければ今すぐドアを壊して入るぞ!」  ディスには考えている暇もなかった。急いでドアに駆け寄りドアを開ける。 そこに立っていたのは二人の兵士。 ディスを見るなり兵士は訪ねた。 「住民の方ですよね?」 「は、はい。そうですが・・・こんな遅くに何の用で?」 「実は酒場に賞金首の放浪者が現れて、今まだこのあたりをうろついているんですよ。」 「賞金首ですか?」 ディスは思わずベットの方へ目をやる。 今ここで、兵士達が家の中を調べようと足を踏み入れたら、ウィンリスの身も危うい。 ディスは謎の人物までかばうつもりはなかったが、兵士達に家に入られては太刀打ちできない。
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