21人が本棚に入れています
本棚に追加
謎の人物は呆れたようにため息を吐くと、ウィンリスにも分かるよう説明をし始める。
「この国は一人の国王の手で支配されている。国王が命じれば何でもその通りに事が動く。
そうなると誰も逆らう者はいない。逆らえば、すぐさま殺されるからだ。
今現在、幻想動物、種族人種は国王の元に集められている。
ここまで話せば普通は予測はつくだろ? っま、お前の場合無理だから説明するが・・・
俺はこの国を支配している国王の息子ってわけだ。」
「・・・?」
ウィンリスにはやはり分からない。
この国が一人の人間によって事が動くということ、幻想動物や種族人種達が国王の元に集められている。
子供である八歳の人間でも理解は難しい。
謎の人物は何も理解できないウィンリスにイラだち始めていた。
「こんなにも理解てきねぇ獣がいるとはな。魔女の力も衰えたもんだぜ。」
吐き捨てるように言うと突然、外から兵士達の声が聞こえてきたのだ。
「おい。この辺はまだ調べてないぞ!」
「だが住民がいるかもしれない。ここは訪ねよう」
謎の人物は焦り始める。
ウィンリスはドアを開けようとドアに手をかけようとした。
それを見て謎の人物は慌ててウィンリスの腕を引っ張り、抱きかかえてディスの寝ているベットへ身を潜める。
強くドアを叩く音が聞こえ、ディスが目を開ける。
「っ!?お、お前は!」
目を開けたディスは驚いた。
目の前に、酒場を荒らした謎の人物がいることに。
それに加えて、大人しく抱きかかえられているウィンリス。
ディスには何が起きているのか分からない。
今すぐにでもウィンリスを謎の人物から離したかったが、ドアの向こうから、ノックとともに兵士の声が聞こえてくる。
「誰かいるかー? いなければ今すぐドアを壊して入るぞ!」
ディスには考えている暇もなかった。急いでドアに駆け寄りドアを開ける。
そこに立っていたのは二人の兵士。
ディスを見るなり兵士は訪ねた。
「住民の方ですよね?」
「は、はい。そうですが・・・こんな遅くに何の用で?」
「実は酒場に賞金首の放浪者が現れて、今まだこのあたりをうろついているんですよ。」
「賞金首ですか?」
ディスは思わずベットの方へ目をやる。
今ここで、兵士達が家の中を調べようと足を踏み入れたら、ウィンリスの身も危うい。
ディスは謎の人物までかばうつもりはなかったが、兵士達に家に入られては太刀打ちできない。
最初のコメントを投稿しよう!