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「これっきりだ。親父と話したのは。
幻想動物狩りだけで終わると思っていたら、種族人種達の街や村を焼き払い種族人種を捕まえ、城の牢屋に放り込む。
唯一、魔女は三人しか捕まらず、牢屋じゃなく鍵のかかっている塔の中で材料を使って死んだ母さんを生き返らせる作業。
俺は牢屋にいる者達から能力を分けてもらい城を飛び出した。これが全てだ。あの出来事の」
「・・・ひでぇもんだ。自分の都合で命を奪うなど」
「親父を大人しくさせるには英雄と呼ばれた旅人からの情報が必要。
百年以上前にも国王が何かに取り憑かれた出来事があった。
それを救ったのが英雄と呼ばれた旅人。不死の命を手に入れた旅人とも言われている。」
ディスはディルアの言う事を信じた。
ディルアも先程までの人柄とは別人のように見える。
そして、ディルアは続けて話す。
「あと・・・俺が酒場で殺している人間は全員悪業している奴らだ。善意のある者には手は出してねぇよ。」
「だが命は大切だ。殺すまででもないだろ? それと・・・何故この家に来た。俺に用があるのか?」
確かに兵士に追われて逃げ込んだとしても、空家などに逃げ込める。
考えてもディスかウィンリスに用があるとしか思えない。
ディルアはふっと笑うと答えた。
「悪業してる奴らが種族人種を殺してもか? この家にはお前とお前が連れている子供に用があるんだ。」
「この子にも? 用件はなんだ」
「お前らを人間にした魔女に会いたい。」
「・・・会ってどうするんだ。」
「死者を生き返らせることは本当に出来るのか聞きたい。あと、英雄の旅人を見つけ出して欲しい。」
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