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ディスはディルアを見つめたまますぐには答えなかった。
何故なら、魔女の中でも一番力の強い魔女で、国王の命令で起きた出来事に関して計り知れない怒りを抱いているからだ。
そんな魔女に国王の息子であるディルアを会わすなど、どうなるか分からない。
怒ってしまったら誰も止めることができないからだ。
悩んだ末ディスはあることを思いつく。
「殺される覚悟で行ったほうがいい。それと条件だ。この子を連れていけ」
そういうとウィンリスをディルアの前に立たせた。
ディスの考えはこうだ。
英雄と呼ばれる旅人を探すとするなら、探している間にウィンリスの探す旅人が見つかるかもしれない。
国王のしたことに対して、許せない想いがあるならば、正義感はある。
国を収める国王の息子なら、国を元に戻すということも不可能ではない。
旅をしていく中で、能力のある者と一緒なら襲われても心配はない。
大都市からリソースに来ているということは通行証も問題はないはず。
ディルアは条件の目的がなんなのか考えた。
だが思い当たるものがない。ディルアはディスを見つめて答えた。
「いいぜ。目的はなんなのか言ってくれたらな。」
「目的などはない。この子はお前と同じく旅人を探している。
お前が旅人を探す間に、見るかる可能性があるから連れてって欲しいだけだ。
それとこの子だけでは旅が危険すぎる。」
ディスの答え方に嘘はないと確信したディルア。
そして、「決まりだな」と答えウィンリスに問いかけた。
「名前を言いな。旅していくのに知っとかなきゃ意味がないだろ?」
ウィンリスは全て理解できていないが、〝一緒に旅をしてくれる〟ということに喜びを感じていた。
少しだけ笑みを浮かべ答える。
「ウィンリス。」
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