国を捨てた放浪者。

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 旅支度をし終えて、いつでもリソースを出ていける状態のディルアとウィンリス。 街は兵士達が警戒しながら警備をしているためローブに身を包んで出て行くのは不可能だった。 もし二人がローブで身を包んで街を歩けば目立つどころか捕まってしまうだろう。 だからといって明日になってから出て行くのも危険。 兵士達の会話を聞いた限り、必ず出入り口の警備が強くなってしまうため、警備が手薄の今がチャンスなのだ。 ところがディルアの考えを聞いたディスは、今出ていくのではなく明日の早朝に出て行くべきだと述べる。 リソース民であるディスの考えはこうだ。 警備が強化される前の今出て行くにしても、ローブが使えなければ、ウィンリスをどう隠して街を出ていけるかということだが方法はない。ディスが酒場に連れて行ってしまったため、酒場にいた人間達がウィンリスに気づき兵士の手に渡ってしまう。 そうなると人通りの多い昼間の今出て行くのには無理がある。 明日になれば警備が強くなるのは確かだが、兵士達も仮眠は必要。 まだ寝ているであろうという時間の早朝に出ていけば人は誰一人と歩いていないため、黒いローブで街を出ていくことができる。そして、一番助けになるのは霧。 ここ最近リソースは天気や季節関係なく毎朝、霧が出るようになっていた。 これならば黒いローブで歩いても見えづらくなる。  ディスの考えを聞いたディルアは「確かにいい考えだ」と納得する。  万が一、兵士に見つかった場合はディスが足止めをしてくれる。 街さえ出ればディルアの思うがままに行動ができる。人の目を気にしないで反撃ができるということだ。  こうして街を出て行く方法が決まり、ディルアとウィンリスは早く寝ることにした。 「おやすみなさい」 小さなあくびをしながらウィンリスはディスに言った。 「おやすみ」 ディスはウィンリスの頭を撫でながら答える。 その様子をディルアは見て、何かを察したかのよな口ぶりでディスに言う。 「・・・俺達がいなくなった後、あんたはどうするんだ?」
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