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オレは黙っていた。
口にするのが嫌だった。
「角が無くなり、生きる所が無いから人間界に来た。そうだな?」
「…あぁ、そうだ」
「まあ良い」
人間を包んでいたオーラが無くなり、刃物が棒に戻った。
「ここの所、鬼が出ないから安心してたから少し焦ったのう」
やがて人間は背を向け、思い付いたように言った。
「人間界に出たいのならあの小屋に来なさい」
そしてそのまま小屋へと戻った。
「オレが行くわけねーだろ。頼ってられっか」
オレは体にめり込んだ石を取りながら言った。
「あいつ強かったな。祓いかなんかかも知れねぇな」
祓い。正式には鬼祓い。鬼術と呼ばれる、魔術の一種を使うらしい。
人間の中には少数だが祓いがいると聞いたことがある。
それなら鬼の言葉を話せるだろう。
オレは山を進んだ。ある小さな村があった。
オレは食料を求めて村に向かった。
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