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「あー、このままじゃ死んじまう」
(まだ日も高いっていうのにな)
(…やっぱ戻るしかねぇのか?)
オレは色々考えた。第一に、バツが悪すぎる。
しかし、あの人間なら頼っても良さそうだ。
(いや、鬼祓いかも知れないやつだ。…でも、飢え死にするよりはましか…?)
「…クソッ! 戻るか…」
今来た道を戻り、再び小屋に来た。
あの人間が扉の前で待っていた。
「…オレはただ、あんたの言うことを聞いてやっただけだぜ」
「物分かりの良い鬼だな。さ、中へ入りなさい」
小屋の中は意外にも広く、不自由は無かった。
木のテーブルと、椅子が2つ。
壁も木で出来ていた。そこには丸いものがかけられていて、中で針がチクタクと音をたてていた。
その人間は奥へ行った。
「そこに座っていなさい」
お湯を沸かしているようだ。だんだんと何か良い香りがしてきた。
「オレはあんたを信じた訳じゃないからな。」
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